声明】 根拠も道理も崩れた「教育基本法改悪法案」の廃案とともに、
      「防衛省」法案、改憲手続き法案の廃案を強く求める



 今国会の会期末が十五日に迫るなか、自民・公明両党は、教育基本法改悪法案の公聴会後に、採決を一気に強行しようとねらっている。
 私たちはかねてから、本改悪法案による愛国心の強制や教育内容への国家権力の介入は、教育の自主性を奪い、現場にさらなる「荒廃」をもたらすものとして強く反対してきた。これまでの審議で明らかになったのは、現行基本法を改定する根拠や問題点について、説明不能におちいった政府与党の混迷であり、十分な審議をのぞむ世論にも逆行する採決の暴挙などは、絶対に許されるものではない。いまや根拠も道理も崩れた改悪法案は、直ちに廃案にするしかないことを、私たちはあらためて表明する。
 今国会においては、先の衆議院で自民、公明、民主、国民新党の賛成により可決された、「防衛省」法案が引き続き審議されている。本法案は、憲法上の制約を踏みにじり、海外での自衛隊の活動を堂々と「本来任務」とすることを目的としたもので、そのために防衛庁を「省」に昇格させて、自衛隊自身の性格を転換させようという極めて危険な企てに他ならない。憲法を踏みにじる悪法の撤回を強く求める。
 現在、九条改憲のための条件づくりとなる改憲手続き法案をめぐって、自民、公明、民主三党が「共同修正」の協議に入り、成立に向けた重大な段階を迎えている。こうした「修正」協議の合意は、「来年の憲法記念日、現憲法施行六十年までに法案を何としても成立させたい」という、改憲派の強い執念により、その実現のために大きな一歩が踏み出されたことを意味する。
 本法案は、市民の言論活動を抑圧しつつ、他方、情報操作による世論誘導で国民を「憲法改正」に向かわせようとする意図があからさまであり、断じて容認できるものではない。
 日本民主主義文学会は、文学にたずさわる者として、「戦争をする国」への道をひた走る、「教育基本法改悪法案」ならびに「防衛省」法案、改憲手続き法案の廃案を強く求めるとともに、これら悪法の強行成立を阻止するたたかいに全力をあげるものである。

   二〇〇六年十二月十日  
日本民主主義文学会幹事会  


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