第32回土曜講座  2016年9月10日 開講 全12回
 
日本文学は戦争をどう描いたか
 土 曜 講 座 
 

 文字どおり、土曜日の午後2時からおこなわれる講座です。10年以上の歴史がありますが、ここ5、6年は「20世紀はどういう時代だったか」を統一テーマにして、半年を単位に、講座を続けています。
 20世紀の前半は、大量殺戮兵器の開発とあいまって、世界を巻き込む大きな戦争や残虐な破壊が繰り返されてきた時代でした。逆にいえば、その残虐さのなかから、いやすことのできない悲しみと苦悩の上に立って、歴史上初めて平和運動が人々のなかから生まれ、人々の心をとらえてきた時代でもありました。
 戦争は、そのもの自体が、人命、文化、自然の暴力による破壊ですが、単にそれだけではありません。たとえ戦場にかりだされなくても、個の尊厳の侵害、表現の自由の圧殺、価値観の一元化、弱者の切り捨てなど、自由ではなく強制が社会を覆い、暗黒の時代となります。
 20世紀の作家は、その感性と知性によって敏感にこれらの状況と拮抗し、時代に抵抗してきました。それ以前の作家と異なるのは、個と社会との関係がもっとも鮮明にとらえられた時代ということができます。

 講座では、最初の20世紀人といわれた「石川啄木」を皮切りに、「島崎藤村」、「志賀直哉と白樺派」「広津和郎と私小説の作家たち」「小林多喜二」「宮本百合子」「第一次戦後派の作家たち」「無頼派の文学者たち」など、その時代を代表する作家の作品と、思想の変化の軌跡を、作品をていねいに読むことによってたどってきました。講師にはその作家をよく研究してきた専門家があたっています。

第32回 土曜講座
日本文学は戦争をどう描いたか
  日本の近代文学には、これまでの戦争について、いかに国民の命と人権、暮らしとともに、海外の人々をも犠牲にしてきたかを描き、告発した作品があります。
 「戦争法」、「憲法」など、国の進路が岐路に立つ今、それらの作品を今日の目で読み直し、掘り起こし、新たな光を当てる講座です。
 戦争の実態やその歴史をより深く理解して、次世代に伝える力とするとともに、文学創造と批評の力量を高める機会ともしたいと思います。
 ふるってご参加ください。

期間:2016年9月10日〜2017年3月11日の第2・第4土曜日(全12回)
     午後2時〜4時
会場:日本民主主義文学会事務所
定員:20名(先着順)。どなたでも参加していただけます。
受講料:2万5千円(文学会会員、準会員は2千円引)



(日程)   (作家・作品)            (講師)
1 9月10日 泉鏡花「海城発電」           澤田章子
2 9月24日 与謝野晶子「君死にたまふこと勿れ」(詩) 奈良達雄 
3 10月8日  田山花袋「一兵卒」           岩渕 剛 
4 10月22日 芥川龍之介「将軍」           尾西康充 
5 11月12日 森鴎外「鼠坂」             澤田章子
6 11月26日 武者小路実篤「或る青年の夢」(戯曲)  尾西康充
7 12月10日 上野壮夫「跳弾」            奈良達雄
8 12月24日 黒島伝治「武装せる市街」        楜沢 健
9 1月14日  小林多喜二「地区の人々」        楜沢 健
10 1月28日 石川達三「生きてゐる兵隊」       牛久保建男
11 2月25日 火野葦平「土と兵隊」          牛久保建男
12 3月11日 野上弥生子「迷路」           松木 新

お問い合わせ、お申し込みは、民主文学創作研究会にどうぞ。  
 電話 03−5940−6335 FAX 03−5940−6339 E-mail: info@minsyubungaku.org