声明】 「教育基本法」改悪法案、「共謀罪」法案、
              「改憲手続き法案」の廃案を求める


 今通常国会の終盤になって政府与党は、「共謀罪」法案、教育基本法「改正」案、「改憲手続き法案」等の法案を提出した。いま国会では、これらの法案が大きな争点となり審議されている。私たちはかねてから、九条改憲を照準に、この国をアメリカ追随の「戦争をする国」にみちびこうとする諸法案の、国会への提出自体を取りやめるように求めてきた。
 教育基本法改悪法案については、その後国会審議において、個人の内心にかかわる「愛国心」を評価の対象とする問題点が浮彫りにされ、閣僚や自民、民主党議員から戦前の教育勅語を礼賛する発言が相次いで出されるなど、私たちが指摘してきた「教育をがんじがらめに縛ろうとする」真の意図が、より明瞭に示されてきている。
 また、「戦前、戦時下の暗黒社会を再び生み出す道につながるもの」として、私たちが強く反対してきた「共謀罪」法案についても、いかなる「修正」を加えても問題点が解消されるばかりか、個人の思想・内心を裁くことの違憲性が、ますます明白になってきている。
 会期末まで残すところ実質十五日しかない時期に提出された「改憲手続き法案」については、まさに国民軽視の異常な法案と言わざるを得ないものである。憲法制定以後六十年近く、改憲手続き法案が国会で一度も取り上げられることがなかったという事実は、憲法の平和主義と民主主義を支持する日本国民が、こうした法案を必要としていなかったという歴史的総意を示すものであり、これは最近の世論調査結果にも見られるところである。本法案の内容を吟味したとき、九条改定を中心とした改憲を、できるだけ低いハードルで実現しようとする、あからさまなねらいの危険性を指摘せざるを得ない。
 「教育基本法」改悪法案、「改憲手続き法案」、そして「共謀罪」法案等、これら一連の法案の存在自体が、九条改憲による「戦争をする国」づくりの動きに連動する重大事として、私たちは強い危機感をいだくものである。
 戦後の日本文学は、戦前・戦時下の日本文学が侵略戦争に加担したことへの痛切な反省を出発点に、侵略戦争の実相の追求を重要な主題のひとつとしてきた。この国がふたたび戦禍にまきこまれることのないよう過去の歴史の教訓から学び、私たちは、人が生きることに直接かかわる文学創造者として、断固これらの廃案を求めるとともに、そのための共同の行動を、多くの人々に呼びかけるものである。

  二〇〇六年六月四日
日本民主主義文学会 第三回幹事会



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