第21回大会で発表した宣言、決議


 【文学会第21回大会  大 会 宣 言

 私たちは第21回大会を、わが国の平和憲法を投げ捨て戦争ができる国にしようという文字通り重大な歴史の岐路のもとで開きました。戦後文学は世界とアジアを塗炭の苦しみに陥れた日本の侵略戦争を何よりも憎み、それへの痛恨の反省の上にたって出発しました。私たちは戦後文学の発起の精神と重なる平和憲法を改悪しようとする動きを重大な危機感をもって受け止めます。しかしアメリカに追随する日本の反動化は、世界の平和と進歩の流れに逆行するものです。プロレタリア文学運動と戦後民主主義文学運動の伝統を引き継ぎ、今年創立四十周年を迎える私たちは、創造と批評の両面でこの時代の危機に立ち向かう決意を表明します。
 私たちの文学は、侵略戦争に反対し、人間性を押しつぶす天皇制の支配に抗い、戦後の民主主義の息吹とともに歩んできました。民主主義文学運動は日本の文学史に消すことのできない歩みを刻印しています。私たちはその伝統を今日に受け継ぎ、私たちの文学に付託された歴史の課題に応えることを一致して確認しました。すぐれて人間精神の発露である文学は、人々が平和とともに明日へと生きていく力になるところに重要な意味があります。JR西日本の大事故や頻発する航空機の大事故につながりかねない小事故などは、大企業の利潤中心、働く人々の人権を無視した結果です。教育現場への君が代・日の丸の強要、NHKの政治的圧力への屈服などについても強い危惧を表明します。時代と社会をみすえ、そのもとでの人間を描くことを眼目とする文学の立場から、重大な関心を払わざるを得ません。
 私たちはこの文学運動が活力をもって未来に継承されていくために、多くの人々の参加を呼びかけます。そして若い世代の参加を熱い心をもって呼びかけます。
 私たちは今大会での成果を土台に、私たちに課せられているものの大きさを自覚するとともに、戦後六十年、文学会創立四十周年の到達をふまえ、勇気を持って今日の世界と人類の主題に立ち向かい、歴史の局面が求めるより高い創造・批評の実りを期すことを決意します。  

  二〇〇五年五月八日
日本民主主義文学会第21回大会 


【決議】
         憲法改悪に反対し九条を守りましょう

 いま、私たちは、戦後58年維持してきた、第九条を中心としたわが国憲法の平和原則をさらに守り育てるのか、それとも、いつでも戦争ができる国へと憲法を変えるのか、という重大な歴史的岐路に立たされています。
 本年四月に、衆議院・参議院の憲法調査会は自民・公明・民主党の賛成でこれまで五年間の活動のまとめである最終報告書を決め、それぞれ議長に提出しました。報告書の最大の特徴は、改憲に向けた意見集約がかなり強引にはかられ、一歩踏み込んだものとなっていることです。
 最大の争点になっている九条については、衆院では多数意見として、「自衛権の行使として必要最小限の武力を認める」、「非軍事の分野に限らず国連の集団安全保障活動に参加すべきである」などが書き込まれました。これらはアメリカの戦争に追随して、自衛隊の海外での武力行使に公然と道をひらくものとして、到底許すことができません。
 また参院では、九条について「主な論点のうち意見が分かれたもの」の中に位置づけましたが、これは九条改憲への足がかりをつくろうとするものであり、許すことができません。
 憲法九条の第一項、第二項は、二千万人に及ぶアジア諸国民、三百十万人の日本人の死者をもたらした日本の侵略戦争とアジア・太平洋戦争への痛苦の反省から生まれたものです。戦争とそこへの道をふたたび繰り返さないことを、全世界に向って誓った日本国民の心からの叫びであります。その叫びを無駄にすることはできません。
 二〇〇四年六月に発足した「九条の会」はいま憲法を守ろうとの多くの声を重ねて、全国各地ですでに一千五百組織を超えています。この力をさらに部厚くして、なんとしても憲法改悪の道をとざさなければなりません。民主主義文学運動の発展の先頭に立つ私たちは、この運動でも渾身の力を振りしぼって立ち上がることをここに誓うものです。
 
  二〇〇五年五月八日
日本民主主義文学会第二十一回大会 


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