【声明】

イスラエルのガザ攻撃中止、即時停戦と、ロシアのウクライナからの即時撤退を訴える


 ロシアによるウクライナ侵略が収束の兆しもない中、世界をゆるがす新たな惨事がパレスチナで起こった。ハマスの奇襲攻撃・大量の住民拉致をきっかけに、ガザに対するイスラエルの軍事攻撃が激しさを増している。多くの人命が失われ、極めて深刻な人道危機が続いている。ハマスの先制攻撃が非難されるべきことはもちろんだが、イスラエルのガザ地区封鎖と住民の大量殺戮は許されるものではない。イスラエルの攻撃はすでに自衛の範囲をはるかに超えており、世界中から非難が起きている。

 私たちはイスラエルとハマスの即時停戦を心からよびかけるものである。日本政府はイスラエル、パレスチナ双方に関係を持っていることを生かし、憲法九条の精神に立って、停戦に向けた交渉を促すべきであることを訴える。

 ガザに世界の耳目が集まる中で、ウクライナへの関心が薄れることも危惧される。ロシアの野蛮な侵略戦争によって、今もウクライナでは無辜の市民の命が奪われ、多くの人々が苦しい難民生活を送っている。この機会に、ウクライナ領土からのロシア軍の即時完全撤退と、「国連憲章を守れ」の一点で世界が団結し、和平実現のための各国による外交努力の強化を重ねて求めるものである。

 ヨーロッパと中東で激しい戦争が勃発しているが、世界では平和の流れも進んでいる。とくにASEAN(東南アジア諸国連合)が重視している「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)は、東アジア全体から戦争の心配をなくす画期的なとりくみである。九月に日中米ロ韓も参加する東アジアサミット首脳声明がAOIP構想に支持を表明したことは重要である。

 私たちは、激しい弾圧のなかで侵略戦争に反対したプロレタリア文学運動の伝統を引き継ぐ者として、イスラエルのガザ攻撃中止、即時停戦の合意を強く訴えるものである。同時に、岸田政権の大軍拡と戦争準備政策に断固反対する。東アジアでも世界でも、憲法九条を生かした外交的努力こそ、平和を築く確かな道であることを訴える。


  二〇二三年十二月三日


 日本民主主義文学会第二回幹事会  

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