【声明】
戦争法案の強行採決による衆議院通過に断固抗議する

 自民、公明の与党は七月十五日の衆議院安全保障特別委員会での暴挙に続いて、十六日には次世代の党をも巻き込んで本会議で強行採決を行った。この行為は、これ以上審議を続ければ、国民の反対の声がさらに強まることを恐れたものであり、政府が国民に追いつめられた結果である。
 安倍首相自身も認めるように、法案についての「国民の理解が進んでいる状況にはない」にもかかわらず、数で押し切ろうとするのは、明らかに民主主義の蹂躙である。国民の理解が進まないのは、そもそも法案が憲法違反だからに他ならない。それは圧倒的多数の憲法学者と歴代の法制局長官も述べているとおりである。この戦争法案は撤回するしかない。
 政府与党は、戦争法案を、「六十日ルール」によって、衆議院の三分の二の議決をもって再可決・成立させようとしているとも報道されている。しかし、多方面から違憲の指摘を受けている法案を、自らの暴挙のために生じた参議院での審議難航を見越して、衆議院における多数の力のみで押し通そうとするのは、議会制民主主義の濫用でしかない。
 文学、文化の基盤となる平和と民主主義を何よりも大事にする私たち日本民主主義文学会は、強行採決による衆議院通過に断固抗議するとともに、憲法違反の戦争法案の撤回、廃案を強く求めるものである。
 
  2015年7月16日
日本民主主義文学会常任幹事会  

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