【声明】

沖縄県辺野古の公有水面埋め立て申請に抗議する

 三月二十二日、政府は、沖縄県名護市辺野古への新基地建設のための公有水面埋め立て申請書類を県知事に提出した。沖縄県民の総意である「基地の県内移設反対」の意思を踏みにじるこの暴挙に、私たちは強く抗議する。
 一九九五年の「日米合意」は、普天間基地の返還を定めたものであり、新基地建設を認めたものではない。そもそも沖縄の米軍基地は、占領軍政下で住民から強制的に取り上げた土地の上に建設されたものである。その経緯を考えれば、沖縄の米軍基地はすみやかに撤去され、その土地は住民の手に戻されなければならない。にもかかわらず、日米当局は、普天間基地の返還の「代償」として、名護市辺野古に新しい基地を建設しようとしている。それは単なる代替地への基地移設ではなく、実質的には機能強化された巨大な総合基地の建設である。緊迫する北東アジア情勢のもとでのこうした動きは、周辺諸国との緊張関係をさらに強めるものとならざるを得ない。その建設費に国民の税金を充てるなど、言語道断である。またこの海域の埋め立てが、貴重な自然と漁場の大きな破壊につながることも、無視することはできない。
 私たちは、文学を通じて平和と民主主義を追求してきた者として、辺野古での新基地建設に断固として反対し、普天間基地の即時閉鎖・撤去を強く要求するものである。

   2013年3月24日    
日本民主主義文学会第五回幹事会  

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