【声明】

葛飾ビラ配布弾圧事件での最高裁不当判決に抗議する
 

 十一月三十日、東京都葛飾区のビラ配布弾圧事件で、最高裁は荒川庸生氏の上告を棄却する不当な有罪判決を出した。憲法第二一条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」とある。ビラ配布は、誰でも意見を気軽に表明、伝達することができる行為であり、憲法の「表現の自由」で保障されるべき行為である。憲法を守るべき最高裁が、弾圧を追認する有罪判決を出したことに対し強く抗議を表明するものである。
 二〇〇四年十二月、荒川氏が日本共産党の区議団ニュースや区民アンケートを、マンションの共用部分の廊下を平穏に歩き、各戸のドアポストに配布したことを、住居侵入罪に当たるとして逮捕・起訴した。マンションの共用部分の廊下に立ち入ってドアポストに各種の宣伝ビラが投じられることは、日常的に行われている当たり前の行為である。これを住居侵入罪によって犯罪に仕立て上げることは、「表現の自由」に足枷をする弾圧であり、受け取る側の住民にとっては「知る権利」の妨害である。そして何より、一般の宣伝ビラの配布を問題にせず、日本共産党の議会報告の配布を取り立てて立件したことは、それが民主主義社会にあるまじき政治弾圧であることを示している。
 我々日本民主主義文学会は、結成以来四十数年間、創造批評活動を通して日本の民主主義の発展のために発言を続けてきた。言論・表現・出版に深く関わるものとして、今回の最高裁の不当判決は決して容認できないものであり、ここに断固として抗議する。

     2009年12月6日
日本民主主義文学会第二回幹事会  


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