【声明】

普天間基地の即時閉鎖、撤去を求める
 

 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、県外・国外移設を公約して成立した鳩山政権が、名護市辺野古への新基地建設を求めるアメリカの前に、閣僚間の意見も食い違いを見せるなど混迷を深めている。そもそも基地移設論は、米軍再編の中で日米合意されたものであり、沖縄県民の平和と安全への願いとは大きく隔絶している。
 二〇〇四年、沖縄国際大学に普天間基地所属の米軍ヘリが墜落し、あわや住民を巻き込んだ大惨事という事故が発生したのは記憶に新しいところである。この事態に、県議会、宜野湾市議会は、普天間基地の無条件返還を議決して抗議の意思を示した。普天間基地は、人口密集地に建設された世界に例を見ないと言われるほど危険な基地である。市民の生命を守るには、普天間基地を即時閉鎖し、撤去する以外に方法はない。基地移設論は、基地の危険と騒音を別の地域住民に肩代わりさせることにほかならない。
 沖縄に駐留する米海兵隊は、ベトナム、イラク、アフガニスタンへの派兵を繰り返しており、イラクのファルージャでの虐殺に加わった部隊も沖縄から出撃した。海兵隊は世界各地への殴り込みを任務とする部隊であり、日本の平和と安全のための抑止力ではない。世界でも、米海兵隊の基地を置いている国は日本以外にない。
 我々日本民主主義文学会は創立以来四十数年間、文学の創造批評を通じて世界の平和と民主主義の発展のために発言してきた。半世紀以上もの長い間、沖縄県民が米軍基地から受けた苦しみを思うとき、我々は文学に携わるものとして、非人道的無差別殺戮部隊である海兵隊は本国に帰れ、普天間基地を即時閉鎖し、撤去せよと声を大にして訴えるものである。

     2009年12月6日
日本民主主義文学会第二回幹事会  


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