【決議】大阪市を廃止し、くらしを破壊する「大阪都構想」に断固反対する

 大阪市では五月十七日に、大阪市廃止・解体の是非を問う住民投票が行われる。この投票で一票でも賛成票が反対票を上回れば、政令都市大阪市は解体され、権限の弱い五つの特別区にされてしまい、税収は四分の一に激減する。しかも、その実現に六百八十億円という膨大なコストを要するもので、これでは住民のくらしを守れないことはあまりに明白である。
 橋下維新の会は、なんのためにこのような施策を強行しようとしているのだろうか。それは大阪市の財源を吸い上げ、一人の指揮官によって思いどおりの府政を行おうとするものであり、住民の利益とは無縁の無駄な大型開発やカジノに税金をつぎこもうとすることにほかならない。これこそが大阪における維新政治のめざす府政の総仕上げなのである。
 橋下維新の会は何億という政党助成金をつぎこみ、全国から三百台の宣伝カーを集め、TVコマーシャル、新聞折りこみ、はては、公費を使った一方的な説明会を行い、ウソとペテンで住民をあざむき、その野望を実現しようとしている。
 これに対し、大阪市を守り、くらし、文化、人のつながりを大切にしようと、草の根からの反対闘争がまきおこっている。日本共産党、自民党など、政党の立場を超えた共同がすすみ、商店会、医師会、地域振興会などの各組織による幅広い運動が、街のすみずみまで広がっている。
 私たち日本民主主義文学会は「大阪市をこわすのではなく、くらし第一でよりよい大阪に!」をかかげた大阪市民のたたかいを支持し、大会の名において、大阪市つぶしの「都構想」に断固反対を表明する。このたたかいの勝利は、大阪にとどまらず全国への波及をもくろむ維新政治に終止符を打ち、日本の民主主義を前進させる新たな歴史を切り開く大きな一歩となることを確信し、住民投票で反対が多数となるよう、強くよびかけるものである。

    二〇一五年五月十日
日本民主主義文学会第二十六回大会  


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