「創造・批評理論研究会」は十月三十一日(金)午後八時より、ズームでの参加を基本に、十四人の参加で開催されました。研究課題は、本誌二〇二四年十一月号「日露戦争一二〇年と文学」に掲載された三論文を題材に戦争と文学の関係を検討することでした。
碓田のぼる「与謝野晶子と日露戦争」については、新日本歌人協会の津田道明氏が報告しました。氏は「君死にたまふことなかれ」の詩に至るヒューマニズムについて、その前史である日清戦争期の短歌界や国家主義的ナショナリズムを踏まえた観点から、その限界も含めて検討しました。
熊ア徹典「田山花袋は日露戦争をどう描いたのか」に関して『民主文学』編集長の岩渕剛氏が報告しました。花袋とその家族の戦時体験を背景に、花袋がリアリズムの手法を取ったことによって厭戦・非戦の作品として成立している。そこを熊ア氏は指摘したとし、評論そのものを批評しました。
原健一「木下尚江『火の柱』とその誕生」については著者である原氏自身が、「火の柱」以降の長編作品に視点を広げ報告しました。作品の変遷から木下の社会思想の発展と挫折の意味について検討し、『種蒔く人』をはじめプロレタリア文学、民主主義文学への影響を強調しました。
これらの報告に基づいて、午後十時過ぎまで旺盛に討論されました。それを要約することは困難ですが、本誌読者の多くの参加でいっそう深化させたいと感じました。
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