創造・批評理論研究会の例会が六月三十日にZoomで行われた。『民主文学』四月号の特集「創立60周年民主主義文学作家論V」に掲載された三つの女性作家論(江崎淳「花岡事件と松田解子」、太刀川浅子「山形暁子論」、古澤英二「かなれ佳織論」)について宮本阿伎氏の報告の後、意見交換。
江崎淳は松田解子を社会活動家・鉱山作家と位置づけ、花岡事件を描いた『地底の人々』を中心に、戦争の残忍さと自責を表現した作品の意義を論じる。太刀川浅子は山形暁子の『女たちの曠野』を、女性銀行員の差別や闘いを描いた代表作と評価し、金融資本の矛盾を浮き彫りにする手法を分析する。古澤英二はかなれ佳織をジェンダー文学作家と定義し、『ダブルステッチ』等を通じてジェンダー平等な働き方を追求する姿勢を論じる。
三評論は、民主主義文学運動のジェンダー視点の先駆性を示すものであると総括された。批評活動を活発化することが当会の重要課題なので、ともにがんばりましょう。
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