2020年10月号 作品紹介

     
 


「ウィングウィング」 和田逸夫
 この春に高校を卒業するぼくは、児童養護施設「学園ルピナス」の門をくぐった。ここはかつてぼくが育ったところだった。レオンと呼ばれるぼくは、ここで「イッシ―」と出会ったのだ。

「末摘花」 木曽ひかる
 開戦と同時に熱狂が広がった。国民学校五年の桜子の両親たちは戦争遂行に複雑な気持ちでいた。

「止まった秒針」 石井斉
 姫野は鉄格子のまどから外を眺める。この病院に入院してからすでに四十年経っていた。

「映画「ドレイ工場」の頃」 田村光雄
 五十年前に公開された「ドレイ工場」が再上映されるときいて、斉藤は衝撃をうけた……。

「捕虜収容所」 青木陽子
 私の住む土地の傍にかつて捕虜収容所があった。ある若い母親から詳しいことを知りたいと連絡があった。

 
       

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