若い世代の文学カフェ
 in 関西

 飲み物とお菓子を前に、気軽に文学をめぐってのおしゃべりに参加する、そんな場として、このカフェがはたらいていけばいいと思っています。そして、参加することを通じて、「文学」「民主主義文学」が、それぞれの人生のすぐ隣にいて、私たちの生活を豊かにしてくれるものだということが感じられればよいと考えています。若い世代の皆さん、お待ちしています。

〔第1回〕 青春の文学を語り合う夕べ
  

 去る6月17日、「青春の文学を語り合う夕べ」と題して、若い世代の文学カフェが関西の地において初めて開催されました。大阪市内の「アピオ大阪」に集まった15名の参加者は年齢も性別も様々、若い世代の文学カフェとはいえ、決して若者だけの集まりにならなかったことがかえって会場の雰囲気を明るくさせました。取り上げた作品は私の「靴紐を結んで」と旭爪あかね氏の「風車の見える丘」(いずれも新日本出版社刊)。
 報告者の宮本岳志氏は、まず、かつてベストセラーとなった「完全自殺マニュアル」という本が持つ問題点を指摘しつつ、現代の若者を取り巻く状況などを合評作品にてらして話をされました。
 「風車の見える丘」における登場人物たちの自己肯定感の持てない姿、それはまさに今の若者たちの現状と言えるものなのでしょう。ラストシーンの、あの「告白大会」の描き方には疑問を感じるものの、「まだ風車は見えていなかった」という最後の一文に次作への期待を抱かせるものがある、という意見が報告の中で語られました。
 私は「完全自殺マニュアル」にどっぷりとはまって読んでいた経験があるだけに、自己肯定感の持てない若者の立場から発言させていただきました。
 自信たっぷりに生きている人よりも、自信がなく目立たないような生き方をしている人に光をあてて、そういう人を小説の中で生き生きさせてあげたい、そういう思いで「靴紐を結んで」も書いた、というような話をしました。
 合評では、参加者がそれぞれ自分の今の悩みなどもまじえて発言。とりわけ若い人たちの発言には「恋愛」の問題が多かったように思います。
 「風車の見える丘」での千華と新が結ばれるシーンから、SEXとは何か、恋愛とは何かという話に発展し、参加者同士の間で真剣な議論が交わされました。
 私は今回、文学を語るということは人生、自分の生き方を語ることになるのだな、ということを改めて実感しました。
 関西においての初の「若い世代の文学カフェ」は成功でした。開催して本当に良かったと思っています。
 これをスタートに関西でも引き続きカフェを開店していきたいものです。
 次回は12月頃の開催を目指して、ただいま準備中です。ご期待ください。
(横田昌則)  

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