「椅子なき僕らに降る雪は」 田本真啓 二十一歳の刻に父が他界したことをきっかけに、僕はひきこもり生活に入った。 「あらかし」 柴垣文子 義姉の真知子とは、夫をがんで見送ったことなどいくつかの共通点があった。 「クリムトの母子像」 野里征彦 七三一部隊が起こしたことは、自分とはまったく無関係だとは思えなかった。 「各駅停車」 石井 斉 精神科病院で外来治療を受けていた瀬川涼は電車に乗るのが怖くなった。 「事 件」 稲沢 潤子 あの朝、民商の事務所の玄関前に、黒いワゴン車が何台か止まった。