2025年6月号 作品紹介

     
 


「タキオンのころ」 斎藤 航希
 「数学ならギリ勝てる気がしていたさ」と貝澤は、僕と目が合うなり、息まいてそう言った。

「鍵の音は少年のよう」 藤倉 崇晃
 牧田は夜食の弁当箱を持って、八丁堀のコールセンターでの夜勤の仕事に自転車で向かう。

「へなちょこ会長の100日間」 石崎 徹
 石材会社が私有地を買い取って墓地を作る予定と書いたビラを、町内の一人が持ってきた。

「北のマリア」 鄭 閏熙
 北朝鮮に帰った母の秘密をアンが知ったのは、大学二年の夏だった。


 
       

「2025年総目次」に戻る