2018年1月号 作品紹介

     
 

「青い空の奥深くで」風見梢太郎
 スカホー社が打ち上げた軍事衛星に関わることになった研究所の同僚が、私に相談を持ちかけてきた。

「桜祭り」青木陽子
 姉を病院に運ぶ途中、スピード違反で捕まった。後から戻るからと頼んだが、聞き入れてもらえない。

「夜の客」工藤勢津子

 母が誰かとしゃべっている。居間の籐椅子に座り、顏をベランダに向けて。 …だが、そこには誰もいない。

「窓の明かり」最上裕
 会社門前で配布された「営業へのリソースシフト反対」というビラを貴之は握りしめた。

「勧誘」横田昌則
 帰宅すると半年前に購読を中止した、商業誌の中でも有力紙とされている新聞が折り畳まれ食卓の上にあった。

「鈴ヶ森刑場跡附近」鶴岡征雄
 京大生と少年工は、東京の空の下で心を寄せあっていたが、互いに打ち明けきれない”恥の秘密”を抱えていた。


      
 
       

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