百合子の文学を語るつどいひらく
 


 五月八日(日)、東京新宿区の四谷区民ホールで、宮本百合子没後六十五年「百合子の文学を語るつどい」をひらきました。婦人民主クラブ、多喜二・百合子研究会と民主主義文学会の共催で行い、スタッフも含め、会場の定員四百五十人をこえる参加者で成功しました。
 主催者を代表して旭爪あかねさんが、「未来への希望と連帯に結び合わされてゆく、愉しいひとときになりますように」と開会あいさつをしました。
 多喜二・百合子研究会が制作したスライド「宮本百合子の生涯」は、三浦光則さんがナレーターを務め、百合子の生涯をコンパクトに伝えました。百合子の戦後最初の作品「播州平野」を劇団銅鑼の中村真由美さんが、終戦の放送を聞く場面と作品の最後の場面の二か所を朗読しました。
 記念講演は、「伸子・重吉の『十二年』──未完の『大河小説』を読む」と題して、不破哲三さんが行いました。顕治と百合子の十二年にわたる往復書簡と百合子の先行作品、および関係資料等から、長編小説「十二年」の構想を描きだしました。最後に、百合子が描きたかった主題に民主主義文学会の書き手が挑戦してゆこうと呼びかけました。講演の全文は、『民主文学』八月号に掲載されます。ご期待ください。
 閉会あいさつで、婦人民主クラブの櫻井幸子会長が、「今こそ、様ざまな機会を通じて百合子を読み継ぎ、学び、伝え合っていこう」と呼びかけました。
 終了後の懇親会には、山梨や佐賀も含めて四十人が参加され、話がはずみました。
 (乙部宗徳)